初めての介護【よくあるご相談9】
親と同居していなくても、近くにいる子と遠くにいる子では介護の
関わり度合いが違います。
近くにいれば何かと負担が多くなりますが、それは身体的時間的な
ことだけでなく、金銭的な負担も同様です。
今回はそんな親の近くに住む方からのご相談です。
介護者:近くにいると病院の付き添いや入院した時には毎日のように
見舞うことになりしますし、役所や金融機関の手続きに同行
することも少なくありません。体調が悪い時はずっとです。
お節介士:介護というとおむつ交換や食事介助のように、毎日続く
介護だけでなく、軽度の要介護者でも介護サービスが使え
ない手続き介護や付き添い介護もありますからね。
介護者:そんな時の交通費やちょっとした見舞品や日用品等、私自身の
飲食代も、本当なら要らないお金が出ていきます。母は年金が
少ないのでもちろんお金を出してもらうことはありません。
お節介士:親に余裕がないと請求はしにくいですね。
介護者:他に兄がいますが遠くて年に1回来れば良い方です。でも...
お節介士:遠くにいるお兄さんに対しても同じように負担してもらいたい
と思うのは人情です。例えばそういう場合に使う費用の一部を
負担してもらえると良いですね。
介護者:遠くにいて動けないなら、せめてお金をと思うのですが問題は
金額です。適当かどうかわからないし、いくら要求すれば良いか
わからないのです。
お節介士:相手の気持ちに任せるというは、なんとなくわだかまりが残り
そうですし途中で額が変わるかもしれませんね。
では実際に助けが必要になった時に来たとしたらいくら交通費
がかかる?と考えるのはいかがですか?
「東京ー大阪」なら往復新幹線で約3万円です。交代で月1回来た
としたら年間18万円です。月にすれば1万5千円です。それを金
融機関の口座に入金してもらうのはどうでしょう?
介護者:近くにいる私は交通費は少ないですが、動く回数はずっと多いです。
このお金は親のための日用品の買い物や急な出費に使うのですか?
お節介士:介護サービスが増えて年金では賄えないなどの場合にも使います。
介護者:今までいくら出してもらえば良いかという目安がなくて切り出しに
くかったのですが、これで一度話し合ってみます。
それぞれの家族の事情があるでしょうが、何を目安にするかという考え方の
1つの基準としてお勧めしています。
話し合う際の考え方として、何のためのお金かということと、なぜこの額か
という根拠があれば、お互いに意見が出しやすくなります。
それから忘れてはいけないのは、金額を変えるときはまた話し合うことも
予め決めておきましょう。事情はいつまでも同じではありませんから。