一人暮らしの親を心配して定期的に同居している方からのご相談を
第5回で掲載しましたが、今回も別居のご家族の元で定期的に生活
されている要支援2のご本人からの相談です。
相談者:私が一人暮らしをしているので娘が心配して来月からしばらく
娘一家と同居することになっています。気持ちはありがたいし
孫と一緒に暮らせるのも嬉しいのですが、娘は共働きだし孫達
も学校や保育園に行くので日中1人で過ごす時間が長くて。
お節介士:日中1人で寂しいですね。普段はどうしておられます?
相談者:こちらではヘルパーさんにも来てもらっていますが、洗濯したり
掃除したり料理したり家事もありますし週に2回デイサービスも
行っていますから退屈しません。
お節介士:娘さん宅では家事はしないのですか?
相談者:娘が嫌がります。それに新しい機械が多くて使いこなせません。
娘の家に近くにデイサービスがあって、せめてそこに行けたらと
思うのですけど、娘が「家族がいるのにわざわざそんなところに
行かなくても良い」と言うので...
お節介士:デイサービスは楽しいんですね。娘さんのお宅は遠くですか?
相談者:東京です。今は京都ですが、元々東京に住んでいたこともあって
皆さんとお話しできたら楽しいと思うんですが。
たった1ヶ月とはいえ介護サービスを利用して規則正しく生活していた方が一時的な転居によって生活サイクルが変わってしまうのはご本人にとって
良いことではありません。
ご家族が良かれと思ってすることが、ご本人の要介護度を上げてしまったり
自立心を損なったりすることもあります。
一時的とはいえ同居する場合は、ご本人の役割や楽しみを取り上げてしまう
ことがないよう気をつけましょう。
介護サービスは一時的な滞在先でも利用できるものがあります。
デイサービスは地域密着型サービスではないので、住所地の変更なしに
滞在先のデイサービスを利用することができます。
その場合、現在利用しているケアマネジャー に滞在先のデイサービスと
連絡をとってもらい、サービス計画を立ててもらいます。
介護サービスは住所地の介護保険を利用して使えますが、利用者負担分は
利用先の事業者に支払います。
ご本人の機能維持になりますし、ご家族との時間も楽しむことができます。
滞在先のデイサービスを使いたいとケアマネジャー に相談するよう伝えました。
家族と一緒にいることは嬉しいけれど、何にもしない生活が辛いこと、
ご本人の機能維持のためにもサービス利用が良いことを伝えられた娘さんは
お母さんの気持ちに気づき、自宅近くのデイサービスを一緒に見学したのち
ケアマネジャー に連絡し、同居中もサービスを利用できるようにしました。